トマーティン…日本企業が買収した第一号のシングルモルトウイスキー。
1897年のウイスキー黄金時代の創業で、その後大戦のダメージを受けつつも1970年代にはスコットランド第二位の巨大蒸溜所に変貌し生産能力についてはNo.1に登りつめた名門ウイスキーは、1980年代のスコッチ不況で経営が落ち込んだところを日本企業によって救われた。現在も規模は縮小したものの、日本と深い間柄で元気に稼働中である。
このボトルは以前ロッシーで紹介したドイツのボトラー「ウイスキーエージャンシー」のグロテスククロコダイルシリーズ。少し赤みがかった濃いゴールドの色はまさにシェリー樽の極み、香辛料や柑橘類、和三盆、森林と言ったファーストノーズは、とても複雑で圧倒されました。口に運ぶとフローラルさたっぷりのなかに焦げたマンゴーやエスプレッソといったところだろうか。タンパクなシェリー香ながら、余韻はリッチなシェリー感。「高級なウイスキー飲んでます」という満足感がありながら、あとをひくブーケが快感です。